バス乗務員バス乗務員

ご乗車ありがとうございます。

 

運転手運転手

北海道で観光バスの運転手をしているやまやまです。

 

2日目の朝は、

目が覚めて天井を見ると、

「あれ?我が家と違う天井」

「そうか、旅行に来てたんだ」

となるのが2日目です。

 

 

2日目は移動時間が1時間以上

長い区間もあり、

お手洗いが心配という方も

いらっしゃると思うので、

途中のお手洗いが有る場所も

紹介していきますね。

 

 

そして2日目のメインは

世界自然遺産」でしょうか。

 

 

その辺りも説明していこうと思います。

 

 

また、ウトロ~知床峠~羅臼は、

こちらの春の北海道を観光するならGWに開通する日本一○○○な国道

でもご紹介していますので、

そちらも参考にして下さい。

 

 

1日目で時間に余裕が無く

知床観光船に乗る時間を

組めなかったという方は、

「カムイワッカの滝航路」だと、

8:15出航の便があって

所要時間は1時間30分ですので、

その便に乗れば10時にはウトロを出発できます。

 

 

2日目にあまり予定を詰め込まないという方は、

朝1便目の知床観光船も検討してみて下さい。

 

 

ウトロ港のおーろら号

2日目「ウトロ温泉からトドワラまでの見どころ案内」

2日目は「ウトロ」から

「阿寒湖温泉」までなのですが、

長くなるので、今回は「ウトロ」から

野付半島の「トドワラ」までのご紹介になります。

 

 

 

 

いよいよ世界自然遺産の地に入るので、

見どころが沢山ありますので、

案内するスポットが沢山あります。

 

 

「ウトロ」から「トドワラ」までは、

115キロほどの道のりです。

 

ウトロ~知床自然センター

ウトロの町から知床自然センターまでは、

10分程で到着になります。

 

 

 

 

ウトロの街を出発して海岸線を進むと、

まず目に飛び込んでくるのは、

左手にカニのハサミに見える岩です。

 

 

カニのハサミ岩

 

バスガイドバスガイド

この岩は見た目そのままの名前で、

「カニのハサミ岩」なのですが、

いつかの台風の時に

ハサミの親指部分が少し崩れてしまい、

ハサミの親指が短くなってしまいました。

 

運転手運転手

そのまま海岸線を進めていくと、

左手に「漁師の店かにや」がありますが、

冬になると、

このお店の海側で流氷の上を歩く

「流氷ウォーク」の体験をする場所になっています。

 

運転手運転手

またそのまま進めて行くと、

徐々に登り坂になり、

幌別川にかかる幌別橋を渡るのですが、

この幌別川には秋になると鮭やマスが登る川で、

橋から海側では釣り人が多く、

山側では熊を目撃することもあります。

 

幌別橋

 

バスガイドバスガイド

そしてこの幌別橋を渡ると、

いよいよ世界自然遺産の

登録地に入ってまいります。

 

プユニ岬展望台

登り坂を進めて行くと、

左の急カーブを過ぎ、

そのまま登って行くと右側は山の斜面で、

左側は見通しが良くなります。

 

 

ゆるい右カーブの辺りが「プユニ岬展望台」で、

右の山側には車が停められる旧道があります。

 

 

プユニ岬の駐車帯

 

運転手運転手

この「プユニ岬」は

展望台から見る夕日が有名で、

太陽が海岸線に沈む時に

「ジュー」と音が聞こえてきそうな

景色が見られます。

 

プユニ岬の夕陽

 

バスガイドバスガイド

日中でもウトロの町に目をやれば

箱庭のように見えるところで、

プユニとはアイヌ語で

穴のあるところと言う意味です。

 

プユニ岬からのウトロの町

 

 

プユニ岬展望台を過ぎ、

そのまま登り坂を進むと

左手に「知床自然センター」の入口があり、

乗用車は入って左手が駐車場です。

 

フレペの滝

フレペの滝

 

 

また、「知床自然センター」の奥には

「フレペの滝」への散策路の入口があり、

「知床自然センター」から展望台へは

歩いて20分程で行けます。

 

 

フレペの滝の入り口

 

バスガイドバスガイド

「フレペの滝」には川が無く

知床連山に降った雪と雨が地下に浸透し、

垂直に切り立った約100メートルの

断崖の割れ目から流れ落ちています

 

バスガイドバスガイド

ホロホロと流れ落ちる様が、

涙に似ていることから

「乙女の涙」とも呼ばれています。

 

バスガイドバスガイド

フレペとはアイヌ語で

「赤い水」という意味で、

日の入りの時間になると

夕日が滝に映り込み、

綺麗な赤い滝になって

見られることが由来になっています。

 

「知床自然センター」から「知床五湖」までの見どころ案内

「知床自然センター」から

「知床五湖」までは

15分程で到着になります。

 

 

 

 

「知床自然センター」から

道道93号線に入り進んで行くと、

山の中をどんどん走っていると、

右カーブ明けに左手が崖になり、

崖の下に川が流れていて

川の縁には建物も見えてきます。

 

 

川の名前は赤イ川で、

建物は「岩尾別ふ化場」で、

ここでもよく熊の姿を目撃するポイントで、

上から見下ろすかたちになるので、

熊を見つけやすい場所になります。

 

 

秋になると右側の山側に路上駐車をして、

長い望遠レンズを付けた

カメラをひたすら構えて、

熊を待っている

カメラマンの姿も多い場所です。

 

バスガイドバスガイド

また、

崖下の川の向こう側もまた山になっていて、

対岸の山の海岸に目を移すと、

まるで像が海の水を

飲んでいるように見える岩がありますが、

見た目の通り「像岩」です。

 

そのまま幾つかのカーブを

過ぎながら下り坂を下ると、

上から見えていた

赤イ川にかかる岩尾別橋を渡ると、

左手に見える建物は

「岩尾別ユースホステル」です。

 

ホテル地の涯

 

 

 

ユースホステルを過ぎると

また登り坂になるのですが、

登り始めてすぐに、

右に入る道が続いていますが、

右折して道なりに行くと、

羅臼岳の登山口へと続きます。

 

バスガイドバスガイド

登山口には、

その名も「ホテル地の涯」

というホテルが1軒あり、

そこまでは電気も来ていないので、

自家発電で営業しており、

誰かがエレベーターを使うと

部屋の電気が一瞬暗くなったりもします。

 

 

運転手運転手

もちろん携帯も圏外なので、

お客さんと「ホテル地の涯」に泊まる時は、

会社への点呼と

アルコールチェッカーも出来なくなるので、

「知床自然センター」や「知床五湖」など、

携帯が通じるうちに会社への点呼や

アルコールチェッカーを済ませたりもします。

 

また、「ホテル地の涯」は

羅臼岳の登山口にあるので、

やっぱり登山のお客さんが多く、

北海道の夏は日の出も早く、

朝の3時過ぎには

登山の方たちが身に付けている

熊よけの熊鈴の「チリンチリン」という音が

外から聞こえてきます。

 

 

登山道側の部屋に泊まると、

その熊鈴の音で

朝の3時過ぎに目が覚めてしまいます

 

バスガイドバスガイド

ホテルの脇には天然の露天風呂への道があり、

「三段の湯」と「滝見の湯」があるのですが、

今は「三段の湯」は枯れていて入れません。

 

滝見の湯は健在なのですが、

この辺りは地熱があって暖かいのか、

蛇がよく居るなんて話しを

聞いたことがあります。

 

運転手運転手

また、

暗くなってからの入浴は

熊との遭遇の危険性もあるので避けて下さい。

 

ちなみに「岩尾別ユースホステル」から

「ホテル地の涯」までの道のりは、

道幅も狭く乗用車どうしでもスライドするのは

ギリギリまで脇に寄らないとスライド出来ません。

 

 

観光バスだと何カ所かある待避所でしか

対向車とスライド出来ないうえに、

木の枝も道路にせり出しているので、

バスの屋根も傷つけないかと

ヒヤヒヤしながら、

やっとの思いで通る状態です。

 

運転手運転手

おまけにお盆の時期ですと、

登山の方たちが次々と

狭い道路に路上駐車をしていくので、

バスが「ホテル地の涯」まで

辿り着けなかったこともありました。

 

入植跡地

話しを「岩尾別ユースホステル」を

過ぎた所まで戻して、

道道93号線を道なりに進むと、

キツい登り坂から少しゆるやかに変わると、

辺りの景色も森林から笹やぶに変わり、

左手に昔の民家が倒壊した後が見られます。

 

バスガイドバスガイド

この岩尾別地区には

大正3年に60戸ほどの入植がありましが、

昭和41年には全員が離農し、

開拓当時の跡地が残っています。

 

カーブの多かった道が直線になり、

カーブの終わる手前右手にも

離農した跡地が残っていますが、

ここは牧場跡地なので、

その当時に植えた牧草が今も生えてくるらしく、

この辺りは鹿の姿をよく見かけます。

 

カムイワッカ湯の滝

直線が終わり右カーブを過ぎると、

Y字の交差点に差し掛かりますが、

右に行くと「カムイワッカ湯の滝」へと通じています。

 

 

 

運転手運転手

この道は毎年8月から8月下旬までは

マイカー規制が入り、

斜里バスが運行するシャトルバスでしか

行くことが出来なくなるので注意して下さい。

 

ちなみに知床五湖からでも

「カムイワッカ湯の滝」の駐車場までは

砂利道で30程かかります。

 

バスガイドバスガイド

カムイワッカとは、

アイヌ語で魔の水という意味で、

硫黄山から流れ出ているカムイワッカ川の水は、

臭いの強い硫黄分が含まれているので、

アイヌの人たちは、この水を飲むと死神を招き、

顔を洗うと目がつぶれると恐れていたそうです。

 

知床五湖

知床五湖

 

 

そして、Y字の交差点を道なりに左へ進み、

急な登り坂を登ると「知床五湖」の駐車場です。

 

二輪車・・・・・200円

乗用車・・・・・500円

マイクロバス・1.000円

大型バス・・・2.000円

 

「知床五湖」の散策は、

本格的な登山の装備をしなくても、

普通にウォーキング出来るような装備で大丈夫です。

 

 

ですが、

ヒールの高い靴やスカートでの散策は、

ヒールだと踵が土に

埋まってしまって歩きづらいし、

スカート等では蚊などの虫に

大量に刺されれてしまうので

オススメはしません。

 

 

また、「知床五湖」の散策ルートは3通り

  1. バリアフリーの高架木道を湖畔展望台まで行って1湖を見て、同じ道を折り返してくる。(約40分)
  2. 地上遊歩道の入口から入り、2湖を見て高架木道に出て1湖を見て帰ってくる。(約40分)
  3. 地上遊歩道の入口から入り、5湖・4湖・3湖・2湖を見て、高架木道に出て1湖を見て帰ってくる。(約1時間30分)

 

 

大抵のツアーの場合は

「知床五湖」の景勝時間は

1時間30分前後とり、

高架木道を下の写真の湖畔展望台まで歩き、

見学や写真を撮り

引き返してくる1.のルートが一般的です。

 

 

知床五湖湖畔展望台

 

この湖畔展望台の所が

地上遊歩道の出口になっており、

二湖と一湖を見る2.のコースでも、

五湖全部を見る3.のコースでも、

最終的には上の写真の

湖畔展望台の所に出てきて、

そこから片道20分程の

下の写真の高架木道で戻ります。

 

 

知床五湖高架木道

 

バスガイドバスガイド

ちなみに2.と3.のルートで

地上遊歩道を散策する場合は、

「知床五湖フィールドハウス」で

10分程度のレクチャーを受けて、

レクチャーを受けた

認定証をもらわなければなりません。

 

5月上旬~7月下旬までは、

熊の活動期なので、

専門のネイチャーガイドさん

一緒に周るガイドツアー(有料)に

申し込まなければ、

地上遊歩道には入れません。

 

運転手運転手

また、春の開園~5月上旬と

8月上旬~10月中旬までの

期間は植生保護期として、

申請書を書いて、

券売機で料金

(大人250円、小人100円)を

支払って受付をして、

レクチャーを済ませてからじゃないと

地上遊歩道には入れません。

 

ちなみに申請書は、

当日に「知床五湖フィールドハウス」で

記入できますが、

事前にWebからダウンロードしておいたり、

ウトロの宿泊ホテルでも入手できるので、

先に申請書を用意して記入しておく

手続きもスムーズです。

 

 

この手続きやレクチャーを受けたりは面倒くさい!

と言う方は、

もう紅葉も終わる

10月下旬~閉園までだけは、

手続きもレクチャーも無く散策できるので、

もし、

旅行予定が10月下旬以降なのでしたら、

地上遊歩道に入るのも簡単です。

 

今でこそ、

申請書だ、レクチャーだ、

ネイチャーガイドさんの同伴だ、

などの規制が入っていますが、

昔はツアーバスの場合、

バスガイドさんが旗を持って

お客さんを「知床五湖」の

散策に誘導していました。